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いままでにない新しいカタチ。生々しささえ感じるエンジニア向け書籍「Engineers in VOYAGE」に込めた想いとは

日々の地道な積み重ね、泥臭さを盛り込んだからこそ、その一歩一歩に意味があるんだと感じてもらえたら嬉しい

VOYAGE GROUP(以下「VOYAGE」)は、2020年8月7日に「Engineers in VOYAGE ー事業をエンジニアリングする技術者たちー」という書籍を発売しました。今回は、制作に携わったCTOの小賀さんと、システム本部の丹野さんに、書籍をリリースすることになった背景や、本に込めた思いについてインタビューしました。

小賀 昌法

Masanori Koga

取締役CTO

いくつかの転職、自身での起業などを経て、2010年に日本最大級のSSPを運営する株式会社fluct(VOYAGEの100%子会社)に入社。その後VOYAGEのCTOに就任。エンジニアの採用・育成・評価戦略における様々な仕掛けを構築・運用し、事業開発会社としてのエンジニア文化の醸成に大きく貢献した。

丹野 修一

Shuichi Tanno

システム本部

2006年エンジニアとして入社。ポイント交換サービス「PeX」を立ち上げ後、事業責任者に就任。その後、ECナビ事業責任者、システム本部長、FinTech室長などを経て、FinTech領域に特化した投資ファンド「SV-FINTECH Fund」のGeneral PartnerとVOYAGEの社長室および技術広報を兼任。

ーーまずはじめに、本の大まかな内容について教えてください。

丹野修一(以下、丹野):VOYAGEに在籍している様々な事業部の主要なエンジニアに対して、テスト駆動開発でもおなじみの和田卓人(@t-wada)さんからインタビューいただき、その本をラムダノートの鹿野桂一郎さんを中心にまとめていただいた本になります。VOYAGEのシステム的な側面だけではなくて、ビジネスとシステム両輪の開発のあり方や文化を凝縮した本になっています。

ーーなるほど。この本ならではの魅力について教えてください。

小賀昌法(以下、小賀):世の中の本というのは、ベストプラクティスやアンチパターンなど、上手くいったものや失敗したものにフォーカスしてまとめたものが多いです。

僕らはそうではなく、上手くいったことも上手くいかなかったことも、そのどちらも地続きで繋がっていると考え、本書を作成しました。様々なことにチャレンジし、上手くいったこと、そうでなかったことも含めてこのように成長してきた、そんな話ができれば面白いのではないかと議論を重ねました。読者の感想から「生々しい」という言葉が出てくるくらい、今までにないような本になったのではないかと思っています。

丹野:所謂ある特定の技術を解説した技術書であるとか、とても大きな企業のやり方を解説した本は沢山あると思います。今回僕らの本は、自分たちがそれぞれの時代における課題に対してどんな技術を持って取り組んできたか、どのような考え方でやってきたかということを書いたものです。今まである本とはテーマが少し違うのでどう受け取られるかは出版するまでドキドキしていた面でもあります。

小賀:そうですね。現状と目標のギャップをどう埋めるかという部分に誰もが苦労していると思うんです。実際にギャップを埋めるということは、綺麗事を並べて簡単に行くことでも、ちょっとしたノウハウで解決することでもなくて、日々の積み重ねや、泥臭く地道にやっていくことが重要です。

しかしそういった部分は外で語られないので、他社のそういった部分が見えることはほとんどありません。日々地道に積み重ねているものはあるけれど「本当にこれでいいのか」と不安に思う方は結構いると思うんです。そういった部分も含めて今回僕たちは見せることができたのではないかと思っています。

ーー新しい形の書籍への挑戦で、苦労した部分はありましたか?

小賀:「この本は本当に受け入れられるのか」というのは、僕らとしても未知数でした。別に正しいことをこうやりなさいと書いてあるわけではないし、こうやってはいけないという部分が書いてあるわけでもありません。「僕らはこう考えてやってきた。でも一部うまくいかないこともあった。でもこの面は上手くいった。今はこっちの方向を向いて頑張っている。」といった内容です。

ともすれば、企業名がついていることもあり、自分の企業を見せつけるようなPR本と受け取られる可能性もありました。

また、1冊読み切れる読みやすいものにしたいと思ったので、分量を多くしすぎないという点に苦労しました。いくつかのサービスやチームを見せてVOYAGE全体の文化を知っていただきたいという意図がありましたが、1冊読み通してほしかったので、全体も1章ごともボリュームをあまり大きくすることができなかったのです。

こういった部分はとても苦労しましたが、結果として、インタビュアーや編集者の力を借り、「客観性を持った生々しさ」を表現することができたので、うまく乗り越えられたのではないかなと思ってます。

ーーVOYAGEのエンジニアにはどんな特徴がありますか?

小賀:僕がCTOに就任した時に改めてエンジニアの評価制度の見直しを行いました。その時からずっと伝えていたことがあります。「君たちは言われたことをそのまま作るだけのプログラマーではない。しっかりエンジニアリングしていって欲しい」と。何をエンジニアリングするかというと、システムをエンジニアリングすることはもちろんのこと、しっかり事業にとって価値を見出すというエンジニアリングをして欲しいということを当初から伝えていました。

その考え方が文化として浸透しているからこそ、今回のインタビューの内容が技術的な話だけでなく、事業とセットで語るといったものになっていたのではないかと思います。なので、質問に答えると、VOYAGEのエンジニアは、事業をエンジニアリングするという意識が強いと言うことが特徴だと思います。

ーーなるほど。ということは本のサブタイトルにもなっている「事業をエンジニアリングする」と言う部分は、VOYAGEのエンジニア文化から来ているものなのでしょうか?

小賀:はい、そうです。10年前に僕がCTOになった時には、今のような言い方はしていなかったかもしれないけど、相互に理解し合おうという文化は既にありました。エンジニアは事業目線がありしっかりビジネスの話ができますし、ビジネス側の人たちも仕組みを理解しようという意識はすごく高いと思います。

例えば広告プラットフォームをしていたら、単に管理画面の数字だけで判断をし、トラブルが起きたらエンジニアに投げるのではなく、しっかりと裏側の仕組みを理解した上で仕事をしています。その仕組みがわからない時はエンジニアに聞き、エンジニアも快く説明をします。そうやって相互に日々議論しているから、事業をエンジニアリングできるのだと思います。

ーー最後に、どんな人にこの本を読んでほしいと思っていますか。

小賀:結構幅広い人が見て面白い本になったなという自負はあります。それは、今回の内容が広告プラットフォームという大規模なトラフィックやデータを扱うチームの話もあれば、メディアで15年とかやってきている話もあれば、新規事業の立ち上げ期に最初は1人でものを作っていてようやく2人になりましたという小さいスタートアップのような形もありバラエティに富んでいるからです。

なのでかなり多くの人に見てもらえるのではないかと思っています。どういう人に見てもらいたいかというところで言うと、やはり自分のやった仕事を通じて世の中に価値を生み出したいと思っている人です。目の前に大変なことがある中でこの本を読んでもらうと、一歩ずつ進めていくことに意味があるのだと、そうやって価値を生み出していくんだという気持ちになってもらえたら嬉しいですし、そういう価値を作るチームで一緒に働きたいと思ってくれたら最高です。

丹野:そういうエンジニアの方々もそうですし、この本作った時も話が出たのですが、エンジニアではないビジネスをやっている方が読んでも得るものがあるというか、面白いのではないかという話もあります。

僕も昔事業の責任者をやっていたこともあるのですが、そのような立ち位置の人がインターネットでビジネスをやっていくと当然ソフトウェアやエンジニアリングはなくてはならないものです。どういう風に両輪として事業として一体に考えていくか、どういうチーム作っていくかっていうのは1つ事例の参考としてなるんじゃないかと思うので、こういった方々も是非手に取っていただけたら嬉しいなと思います。

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