Corporate Site

FOCUS

INTERVIEW

エンジニアの最前線から採用の最前線へ。期間限定の異動制度「チャレン人事」で得たものとは

ミチを切り拓く体験ができたことは、これからのキャリアにおいて必ず役立つ

VOYAGE GROUP(以下「VOYAGE」)では、現場で活躍するエンジニアが、約1年半という期間限定で人事に異動し、エンジニアの採用を担う「チャレン人事」という取り組みをおこなっています。エンジニア採用の難易度が上がるなか、最前線で活躍するエンジニアが採用現場に入ることにより、優秀なエンジニアを採用することができるのか。また、人事と現場にどのような効果をもたらすのか……。最初の「チャレン人事」として採用担当を経験した笹本将平さんに、制度がスタートした背景や、当事者としての感想を聞いてみました。

笹本 将平

Shohei Sasamoto

エンジニア

2016年に新卒でVOYAGEに入社。株式会社fluct(VOYAGEの100%子会社)でインターネット広告周りのエンジニアリングに携わり、2018年秋から人事本部に「チャレン人事」として異動。現在はエンジニア新卒採用をメインミッションとして、採用戦略の立案やインターンシップなどのイベント企画・運営を務める。

ーー「チャレン人事」の第一号とのことですが、どういう経緯で話があったのですか。

笹本:2018年の4月、CTOの小賀から「相談がある」といわれて行ってみたら、「チャレン人事」の打診でした。制度の対象者を選定していることはおろか、仕組みができたことすら全社には告知されていませんでしたから、とても驚きました。学生時代にインターンとしてVOYAGEで働いていたことや、入社後によく採用イベントに関わっていたことを評価して声をかけてくれたのかもしれないと後から思いましたが、声をかけていただいた当初は率直に言って「なんで?」という気持ちだったのを覚えています。

ーー驚きますよね。打診があったときは、どのような仕事をしていたのでしょうか。

笹本:インターネット広告配信システムを手がける、子会社の株式会社fluctでエンジニアとして働いていました。広告の配信システムや、社内の運用担当者が楽になる社内ツール・管理画面など、幅広い開発に携わっていました。エンジニア、というと理系のイメージがあるかもしれませんが、私は大学では文系。プログラミングは大学の必修科目だったからという理由でやってみたのですが、実際に手を動かしてものづくりをしてみると面白くて。興味がわいて、エンジニアリングにつながる他学部の授業をとるなどして知識を深め、エンジニアを志したというわけです。

ーーエンジニアとして、当時描いていたキャリアはどういうものだったのでしょうか。

笹本:入社前、インターンをしているころは、軸足はエンジニアに置きつつ、「ビジネスもわかるエンジニア」としてキャリアを重ねていけたらいいなと思っていました。世間一般のイメージからすると、ビジネス的な視点を持って周囲と積極的にコミュニケーションをとるエンジニアは珍しいかもしれませんが、VOYAGEではそういった人が多いんですよ。入社後、業務範囲が広がる中で少しずつ「もっと深いところまでエンジニアを追求したい」と思うようになり、ビジネス視点は持ち続けつつエンジニアに置いた軸足により重心をかけていこうと考えるようになりました。「チャレン人事」で人事に異動してみないか、といわれたのは、ちょうどキャリアプランに変化が出始めていたころです。

人事経験が、エンジニアとして+αのスキルになるかもしれない

ーー「チャレン人事」について、周囲に相談したりしましたか。

笹本:話をもらってから、当時在籍していたチームの上長や同僚に相談し、2週間ほど時間を頂いて、じっくり考えさせてもらいました。周囲の反応は、驚きながらも「最終的には自分でやりたいことを決めていいよ」というスタンスでしたね。「今やっている仕事をキリの良いところまで進めてくれれば、後のことは気にしなくていいから」と言って背中を押してくれました。

ーー決断に至るまでに、一番悩んだ点はどういう所でしたか。

笹本:第一号なので、当然ながら前例がなく、先が見通せないことが何より不安でした。1年半にわたって現場を離れていれば、エンジニアリングという面でレベルが落ちるのは確かです。エンジニアの同期ともかなり差がつくでしょう。1年半の経験があるか否かで、この先の伸び方も違うかもしれません。入社からコツコツとスキルアップして、これからさらに伸びていけそうだという期待値を自分に感じていた時期でしたから、余計に悩みました。

ーー最終的に「やってみよう」と決意した理由を教えてください。

笹本:やろうと思ってできることじゃないし、誰でも挑戦できるわけでもない。面白そうだし、やってみようかな、と(笑)。声をかけてもらってうれしかったというのもありましたね。現場に復帰したとき、人事という他にない経験が特殊なスキルになって、エンジニアとしてのプラスアルファになる可能性もあります。技術のことは、後から頑張って追いつけばいいと考えることにしました。

自社のカルチャーや人の良さに、人事になって改めて気付いた

ーー現在行っている人事でのお仕事について教えてください。

笹本:いま担当しているのは、新卒採用のなかのエンジニア採用です。弊社の採用は人数コミットではないのですが、最終的に何名の新卒エンジニアが欲しいという目標から逆算して、インターンや各種イベントなどを年間スケジュールに落とし込み、それぞれのコンテンツを企画して作っていくという一連の流れに携わっています。イベントの内容に応じて、社内のエンジニアに講師をお願いしたりもしますね。

VOYAGEには、言われたことをただやるのではなく、事業観点を持って「なんでやるのか」を突き詰める人が多く、採用にも積極的に関わってくれるんですよ。人事に任せきりではなく、一緒に働く仲間を自分たちで見つけようという文化が現場にあるのはとてもありがたいことだな、と人事に来て改めて思いますね。そういう独自の文化や働いている「人の良さ」など、私がいいと思っているところを丁寧に学生さんに伝えていきたいと考えています。

ーーエンジニアの採用が厳しいといわれる今、採用対象者に「面白そうな会社だな」と思ってもらうために工夫している点はありますか。

笹本:さきほどお話ししたような「人」や「カルチャー」といった部分は、時間をかけないと伝わらないところだと思うんですよ。名だたる企業がこぞってエンジニアを求めるなかでは、「あの会社、面白いこと言っていたな」と覚えてもらうことが何より大切。
ですから、学生さんと最初に会ったときは、おしゃれなオフィスのことや、定時を過ぎると社員が集まってきてお酒を酌み交わしながら話をする社内BARのことなど、特徴的でフックになりそうな話をするようにしています。あとはエンジニアの評価制度も特徴的なので技術力評価会(※1)の話もしたりしますね。全体には「人」、エンジニアにはあわせて「技術力」の話をしています。

ーー採用で難しいと感じること、またやりがいを感じることは。

笹本:難しいと感じるのは、良いイベントを考えても、それだけで人が集まるわけではないということ。人事に来て初めて、イベントの開催前にやるべきことの多さを知り、集客の大変さを実感しています。集客にも目標の人数があって、年間計画を立てて実行しているという事実などは、ただイベントに参加して学生さんと触れ合うだけではわからなかったことですね。一方、やりがいを感じるのは、何と言っても最終的に採用が決まった瞬間です。イベントで「良い会社ですね」と言ってもらえるだけでもうれしいのですが、採用まで長く関わって入社が決まったときの喜びは比べものにならないほど大きいです。

これからの仕事に対する評価によって、制度の成果が見えてくる

ーー採用面において「チャレン人事」の成果はありましたか?

笹本:私が「チャレン人事」で異動してから関わったのは20年卒と21年卒です。この一年での変化でいうと、新たなインターンシップをいくつか新設しました。インターンを含めたイベントの数は昨年の1.8倍になったので、人手が増えて打てる手数が増えたのは良かったなと思います。あとは技術的なフォローもできるのでインターン参加者へのコミュニケーションは手厚くできているかなと思います。ただ、「チャレン人事」という制度の成果はまだわからないというのが本音です。

日頃の業務においても、採用チームに一人エンジニアがいることで、壁打ちができるというのは良いことだと思う一方、それによって目に見える効果があったかといわれると即答は難しい。接触人数や採用人数が増えたから良いというものでもないですし、採用に関わり入社をしてくれた学生さんたちが、その後どう伸びていくか、どれだけのパフォーマンスを見せてくれるか、その結果次第だと思いますので、成果が見えてくるのはこれからではないでしょうか。

ーーあと数か月でエンジニアに復帰することになりますが、心境はいかがですか。

笹本:制度がきちんと継続していくように道を整えることが、「チャレン人事」の1人目として経験を積ませてもらった私の責任だと思っています。残りの3~4か月で、この1年半の経験を形として残し、後に続く人に役立ててもらえるようにするつもりです。復帰後は、まずは社内のグレードを1つ上げることをめざしたいですね。とはいえ、本音を言えば1年半のブランクに不安もあります。エンジニアリングは筋トレと一緒で、毎日やりつづけていないと確実に落ちていくんですよ。4月に入社してくる新卒と一緒に、また1からという気持ちで焦らず頑張っていこうと考えています。

ーー今回の経験を通して、エンジニアの仕事に活きる「何か」は見つかりましたか。

笹本:人事とエンジニアにはわかりやすくつながる部分がないので、今はまだ「これ」と言葉にできるものは見つかっていません。強いて言えば、行動や思考の主語が「VOYAGE GROUP」になったことでしょうか。エンジニアとして働いていた時はどうしても目の前の仕事にぐっと集中してしまっていたので、なかなか全体を見渡すことがありません。その点、人事は常に組織を俯瞰する立場です。

視野を広げて物事を考えられるようになったことを、現場に復帰してからの仕事や行動のなかで示して、周囲の人に「以前とは動き方が変わったね」「思い切って人事に行かせてよかった」「私も制度を利用して人事の経験を積んでみたい」と評価してもらえたら一つの成功例なのかなと思います。制度利用の経験者がいないという状況は、最初からわからないことだらけで、まわりの方にアドバイスをいただきながら何とか乗り切ってきました。今も、現場への戻り方として3ヶ月の助走期間を作ろうとか、キャリアプランをもう一度考えてみようとかいった話し合いを上長と重ねています。会社が重視するエンジニア採用強化のための新しいチャレンジに参加し、「ミチを切り拓く」体験ができたことは、これからのキャリアにおいてどこかで必ず役立つだろうと思っています。まだまだ完成した制度ではないので、きちんと形になるまで、何らかの形で関わっていけたらいいですね。

※1:社内のエンジニア評価制度。エンジニアによるチームを超えた能力(技術力)評価の仕組み。(リンク:5分でわかる技術力評価会

SHARE ON

この記事をシェアする この記事をツイートする